21世紀は、新しい知識・情報・技術が政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す、いわゆる「知識基盤社会」の時代であると言われている。これからの「知識基盤社会」においては、機械系エンジニア(技術者・研究者)には人間活動のあらゆる分野で科学技術的な側面からの強力な推進役として幅広い貢献が求められている。また、「ものづくり」という観点から科学技術の発展に常に貢献し、社会や環境に与えるその波及効果と責任を常に念頭において製品開発を進めなくてはならない。したがって、機械系エンジニアには、機械工学の基礎力を身につけるだけではなく、グローバルな視点から機械をシステムとして統合する柔軟で幅広い素養をもち、かつ、進展の著しい科学技術の担い手として独創性・創造性を発揮することが社会から強く要請される。
このような機械系エンジニアに対する社会の要請を踏まえて、本専攻では、機械工学の基礎に加え、生産技術、電子技術、情報・知能化システムなどの広範囲で高度な知識の上に、最先端技術を取り入れることができ、かつ、科学技術が社会や自然に与える波及効果や社会に対して技術者・研究者が負う責任を認識しながら、国際的な視点から社会と産業の発展に貢献しうる高度の専門性を有する豊かな感性と創造性をもつ技術者ならびに研究者を育成する。幅広い分野で活躍する本専攻の教員団の講義、演習及び研究指導による広い視野に立った精深な学識の習得と、博士前期課程の勉学の集大成である修士学位論文の作成とを通して、本専攻の大きな教育目標である「豊かな人間性を持ち、社会が要求する機械関連の問題を解決するデザイン能力に長けたグローバルな技術者・研究者の育成」を目指すものである。
そのために、次の具体的な教育目標を掲げる。