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コラム


 

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〔2008年9月29日受付〕

平成20年度「産学連携人材育成事業(産学人材育成パートナーシップ等プログラム開発・実証事業)」に関連して思うこと



 平成20年度産学連携人材育成事業の経済産業省公募に際し、33件の応募があり、 21件の採択がありました。経産省HP掲載情報によりますと、国立大学では、室蘭工業大学・静岡大学・富山大学・愛媛大学等の提案事業が採択され、それら事業テーマにおけるキーワードは、「ものづくりバードアイ技術者」・「多様なニーズに対応できる人材」・「基礎から産業応用まで熟知した人材」・「キャリアエンジニアによる社会貢献&人材育成」などです。
 採択全般の事業内容からは、いずれの産業界も求めているのは、「①基礎学力を持ち、②総合的な俯瞰力を備え、③課題発見解決能力等を有する人材である」ことが読み取れます。
 社会人として最低限、大切なことは、「④困難にあってもあきらめないこと、⑤プラス思考で物事に対応すること、そして、⑥こころざしを持つこと」と考えますが、「俯瞰力」や「解決能力」を身につけるには、とにかく、「⑦何事にも好奇心を持って勉強すること」だと思います。
 話が飛びますが、企業に入って20年、30年と年月を経てきますと、一般論として、「異業種交流」に着眼する人が多くなってきます。その理由は、会社のモノカルチャーからは、現状打破、難局打開等のイノベーション的発想は得られにくく・・・・従って、「これではいけない!」と考えるようになるからです。
 ここで提案ですが、大学には、「いろんなタイプの異経験の学生」がいると思います。「企業の異業種交流」にヒントを得て、例えば、「異経験学生交流」をスタートさせるものです。具体的には、時間外活動として、「●●研究会」を自発的に数十発足させます。テーマ名は、「夢」や「願望」、将来に「希望」がもてるものなら、どんなものでもOKです。●●として、「プラス思考」・「バードアイ」・「創造力」・「ものづくり」・「コミュニケーション能力」・「技術イノベーション」・「環境問題」・「社会貢献」・「世界平和実現」などは如何でしょうか?
 これら研究会のテーマ選定から、メンバー集め・役割分担・情報収集・分析、そして結論を導き報告会へと・・・全て学生が自主的に運営することが、本提案の重要なポイントです。一気通貫で、即ち、「課題発見から解決」までの「自発的かつ自主的な人材育成アプローチ」を体験してもらうものです。報告会は、大学の時間内で正式の授業のひとつとして扱い、単位取得もできるようにします。そうすれば、学生の「モチベーション」も上がるのではないでしょうか? 「中間報告」もモチベーション維持に必要ですね。先生方は、この提案の「仕組み」だけを学生に理解させ、何も指導することはありません。先輩社会人として、最終報告会で「評価点」をつけるだけで良いのです。繰り返しますが、全て学生に自主的に、いろいろと悩みながら、「解なきテーマ」を考えてもらうのが本提案のミソなのですから・・・・
 脳力&能力アップは、自発的な行動の方が効果的なのは衆知ですよね。研究会のアプローチ&その結果は、インパクト大きく脳裏に刻み込まれ、きっと人材育成の礎になることでしょう。また、「●●研究会」の最終報告資料は何れも興味深いものとなる筈で、就職活動における格好のアピール材料にもなると思いますが、如何でしょうか? 関係各位のご意見をお待ちしています。

 





ご提言いただきまして誠にありがとうございました。
 「異経験学生交流」として、「●●研究会」を自発的に発足させるというアイデアは魅力的です。学生が自主的に活動するように指導することが最も重要とは思いますが、その結果の評価は難しいですね。授業の一環としてやるには指導力も必要ですし、得てして自分の専門分野からはみ出たくないという思いがあって難しいと受け止められています。しかし、デザイン(創成)科目を増やすことや、オープンエンドな課題への取り組みは大学教育に最も求められていることですから、何とか工夫してみたいと思います。 





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