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友諒会会長挨拶


 

友諒会会長,機械システム工学専攻長 学科長 
上原拓也 

 米沢工業会並びに会員の皆様には,日頃から多大なご支援を頂き,厚く御礼申し上げます.令和6年度現在,機械システム工学科は学生定員140名,大学院博士前期課程の機械システム工学専攻は定員63名,教員は34名の体制で教育に当たっております.ここ数年間続いた新型コロナウィルスの猛威も一段落し,ようやく通常の形式での講義ができるようになりました.この間に整備されたオンラインシステム等を活用し,講義資料の配付やレポート提出などが効率よく行えるようになるなど,前向きに捉えて改善を図っているところです.また,学生の就職活動においても,このコロナ対応期間において大きく様変わりした一面もあり,オンライン面接やウェブ試験などが増えてきております.このような変化では,学生側の利便性も向上した反面,対面して言葉を直接交わす機会が減り,友人との交流までもが苦手となる学生が見られるのは気になるところです.そのため,大学での学習・研究活動などを通してコミュニケーション力の向上に努めていくことが課題のひとつとなっています.また,機械システム工学科では,3年生を対象とした企業見学を実施しておりましたが,これについてもここ数年は中止を余儀なくされておりました.しかしながら,このような企業見学はOB/OGの皆様との交流をもつよい機会でもあり,再開を含めて検討して参りますので,その節はどうかよろしくお願い申し上げます.
 さて,機械システム工学分野での教育においては,材料力学,熱力学,流体力学,および機械力学という,いわゆる四力が中心となり,それに準じて材料学,設計工学,制御工学などの科目と,設計/製図,実験などの自習科目が配置されています.最近では,機械工学が扱う範囲は大きく拡大していることから,プログラミングや計算力学は不可欠となり,機械材料としても,従来の金属材料から,セラミックス,高分子材料,ゲル材料など,多様な材料が利用されています.また,機械加工の方法も多様化し,3Dプリンティングなどの造形方法も,もはや特殊な加工ではなくなりました.さらには機械学習や人工知能,データサイエンスなどの情報科学も活用されています.本学科の教育課程においても,これらに遅れることなく,最先端の手法が学べる体制を心がけております.また,大学院の講義科目としても,ナノ,バイオなどの先進的科目を取り入れるとともに,グローバル科目として英語による講義も開講しており,世界に通用するエンジニア・研究者の育成に取り組んでいます.研究指導においては,数年前から副指導教員体制をとっており,本専攻では,主指導教員以外の教員への研究報告と議論をもつ機会が設けられています.これによって,専門分野が完全には一致しない教員からの質問や意見を受けることになり,主指導教員とは異なる視点からの発見や考察の機会が与えられることによって,研究の幅を広げることにつながっています.ほとんどの大学院生は修士2年の課程を修了後,就職しますが,機械系の修了生に求められる資質のひとつに,広い視野で工学問題に取り組めることが挙げられます.在学中に,学会発表(できれば国際会議)も強く推奨しており,広い視野を持ち,時代とともに変化する機械技術分野に柔軟に対応できる人材の育成を目指しています.
 ところで,本学では,財政的な面から,新しい教員の加入が抑えられており,機械システム工学専攻でも,この5年間で新たに加入した教員はわずか数名にとどまっています.そのため,固定されたメンバーが,一年ずつ年を重ねて平均年齢が高まるとともに,若手教員の不足が深刻になっております.研究面においても,運営面においても,ある程度の人的な入れ替えは必須であると思いますが,残念ながらこの先,しばらくは状況が大きく変わりそうにありません.そのため,我々自身が従来の固定観念にとらわれず,新しいことを始めたり,これまでの流儀を覆す改革を試みたりしながら,現状の人員の中で,常に新鮮な気持ちを持ち続ける姿勢が必要です.そのためには,学外の皆様との交流を積極的にもつことが有効であると思いますので,米沢工業会の皆様には,共同研究や技術相談など,お気軽にお声をかけて頂ければ幸いです.
 最後になりますが,米沢工業会並びに会員の皆様からのご支援,ご協力は,本専攻の研究,教育,学生支援活動の大きな助けとなっております.今後の皆様の益々のご発展を祈念するとともに,引き続き,温かいご支援,ご協力を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます.

工業会誌№161(2024.6発行)掲載文

   山形県米沢市城南4丁目3の16 山形大学工学部 機械システム工学科 友諒会